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湘南の大人達の週末の過ごし方を考え、提案する、毎週金曜日16時から19時まで放送中の湘南ビーチFMの番組「T.G.I.F.」のブログです!


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「マニアだけが知っている!逗子の不思議な踏切」3/28放送「ちょっとリュクスな湘南散歩」

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こんにちは。
ラーキーこと、旅行作家の荒木左地男です。

今日のテーマは「マニアだけが知っている!逗子の不思議な踏切」。

逗子駅西口(ロータリーではない方)から逗子アリーナに向かって線路沿いを進むと、遮断機も信号もない、廃線のように見える踏切があります。

普段何気なく通り過ぎている踏切ですが、時々、なにか事件でも起きたのかというようにカメラを手に持った人たちがたくさん押しかけることがあります。

電車がここを走っているのは見たことがないし、線路は単線で、先には小さなトンネルがぽっかりと口を開けている、という不思議な光景。
これはいったなんなのだ?

その謎を今日はご紹介しようと思います。

実はこの線路、廃止線でも何でもなく、現役で活躍しているJRの線路。でも普通の線路とは違っているのです。

この線路が造られたのは昭和17年の戦争真っ只中の時。線路の先にある池子弾薬庫(現在の米駐留軍の池子住宅)に資材を運ぶために作られた軍用の線路だったのです。

現在は、池子住宅に隣接する神武寺駅あたりから京急の線路と合流し、金沢八景の「総合車両製作所」という電車の車両をつくる工場に繋がっています。
ここで作られたり修理された電車は、この線路を利用して、機関車に引っ張られ、逗子駅で横須賀線に入り、全国のJRや私鉄まで運ばれていくのです。

先日、この踏切を列車が通るのを初めて見ました。
警備のひとに車の通行が止められ、やがてトンネルの向こうから、警備員に先導されながらゆっくりと機関車が現れました。
この日は、修理をする車両を工場まで運んだ機関車がJR線に戻っていくところだったのでしょうか、通過したのは機関車一両だけでした。

鉄道ファンのひとがたくさん集まるのは、普段このエリアでは見ることのできない車両が、ここを通るからのようです。たとえば、関西の私鉄の電車が通過したり、JRの最新車両を見ることができるのです。

マニアの間では、どうやらいつどんな電車が回送されるのか、という情報がネットなどを通じて共有されるようで、全国からファンが集まってくるのだといいます。

地元のひとも知らない、隠れた名所。しかし、その背景には戦争という歴史の陰があったのです。

電車回送の瞬間は滅多に見ることができないかもしれませんが、普段の静かなローカル線のおもむきを残すこのあたりを散歩して、バックストーリーを思い浮かべるのもいいのではないでしょうか。

来週からは少し模様替えをして、旅や散歩にもっと出たくなるお話をしていきたいと思っています。

4月以降も「ラーキーのちょっとリュクスな湘南散歩」をぜひお聞きください。
by sbfmtgif | 2014-03-29 06:46 | ちょっとリュクスな湘南散歩