「冬でもビーサン! 葉山・冬の海の楽しみ方」2/21放送「ちょっとリュクスな湘南散歩」
2014年 02月 24日
こんにちは。
ラーキーこと、旅行作家の荒木左地男です。
葉山と聞いて思い出すのは?
こんな質問を東京に住む何人かの人に聞いたところ、「御用邸」「海」「自然」など、こちらが予想していた答が多かったのですが、ひとり「ビーサン」と答えた人がいました。
なるほどね。雑誌などでビーサンの特集をすると、必ず葉山のあのビーサンブランドが登場しますよね。
それに葉山では冬でもビーサンを履いて歩いているひとを、そう多くはないけれど時々見かけます。
いわば葉山にとってビーサンは、単なる履き物ではなく、葉山のライフスタイルを象徴するものなんですね。
というわけで、今週の「ちょっとリュクスな湘南散歩」は、ビーサンにまつわる話と、ビーサンを履いて楽しみたい服の海辺の話をすることにしました。
あっ、葉山界隈のひとには説明するまでもないでしょうけれど、ちなみにビーサンとはビーチサンダルのこと。葉山では誰もビーチサンダル、なんて言いませんよね。
その葉山の代表的なビーサンといえば○の中に「げ」の文字でおなじみの「げんべい」さん。
実は、マーケティングの世界では教科書ともいっていいほど有名なブランドなんです。
江戸時代から続く老舗履き物職人の家系。新しい時代にふさわしい商売に方向転回しようと打ち出したのが、夏だけではなく冬にもビーサンを売ろうという戦略。
夏のビーサン市場は買い手もも多いけれど売る店も多い、競争の激しいマーケットです。けれど冬にビーサンを売る店などありませんでした。つまり競争相手のいない市場に挑戦しようというのがこの戦略でした。
マーケティングの世界ではこうした戦略を「ブルーオーシャン戦略」と言います。げんべいさんは、この戦略に果敢に挑戦し、見事に成功を納めたというので、注目されているのです。
この背景には、一年中ビーサンを履いて暮らすという葉山の人たちのライフスタイルが、自然志向・自由な行き方へのあこがれと相まって、多くの人々のハートをつかんでいったという事情があったのでしょう。
というわけで、さあ、ビーサンを履いて冬の海辺に散歩に出かけませんか?
といっても、ちょっと足下が涼しくなりますから、無理をしてビーサンを引っ張り出して来なくてもいいですよ。
気持ちだけビーサン気分。それでもOKです。
冬の海辺は、夏とは違う、様々な表情を持っています。
まず、人が少ない。冬に浜辺に来るひとは、ほとんどが地元のひと。観光で来る人は少ない。(いや最近は冬の湘南を見たいと東京あたりから来るひとが増えているらしいですが)
場合によっては、ビーチを独り占めできることだって。
誰もいない海を、ぼんやり眺めて時間を過ごすなんて、こんなぜいたくはあるでしょうか。
第二に、冬の海、冬の空はキリリと澄み切っています。富士山が一年で一番きれいに見えるのもこの時期。葉山の海岸はほぼ西向きですから、どこからでも美しい富士山を見ることができます。富士山を見るベスト・ビーチはといえば、やはり長者が崎。ちょっと北よりのビーチならではの迫力ある光景が楽しめます。
さらにこの時期は鳥たちがたくさんビーチに訪れる時。
そのほか、流木を探したり、ビーチグラス、貝殻を集めたり、ゆったり犬と散歩したり・・・。
夏のビーチの過ごし方とは違う、ゆったりした時の流れと、自然と人の距離の近さを存分に楽しむことができます。
葉山のビーチは住宅地からも近く、バス停からちょっと歩くだけで行ける身近さもあります。
ここしばらく天候も良さそうです。寒さ対策は万全にして、ビーサン気分の海辺散歩をどうぞお楽しみください。