「葉山はなぜ葉山なのか?」10/18放送「ちょっとリュクスな湘南散歩」
2013年 10月 20日

こんにちは。ラーキーこと、旅行作家の荒木左地男です。
「ちょっとリュクスな湘南散歩」今週のテーマは「葉山は、なぜ葉山なのか?」
このコーナーでは毎回いろいろなーマを設定しています。もちろんテーマなんてない、ぶらりと気軽に出かける散歩もいいのですが、なにかテーマがあれば、初めていく場所にも興味が湧いてきますし、何度も行ったことのある場所でも、新しい発見や出会いができることもあります。なによりも、ちょっと思い腰を上げて、散歩にでも行ってみるか。そんな気になるためにも、テーマがあるといいのではないかと思います。
というわけで、今回は「地名の由来を探るミニトリップ」というようなテーマで、自分たちが住んでいる街は、なぜこの名前になったのか、という疑問から散歩をスタートさせてみようと思います。
葉山の名前の由来は諸説あるようですが、そのひとつに「端山」という言葉が「葉山」に転じたのではないかという説があります。
東北にも「葉山」という地名がありますが、「葉山信仰」と呼ばれる、里と山の狭間、つまり山の端っこに神社を祭るという信仰の形から「葉山」の地名につながったとも言われているのです。

そんな難しい歴史はともかく、確かに葉山は山が海岸線ぎりぎりまで迫って、すとんと海に落ちていくという地形が多いですね。そんな景色を見た人たちが、山の端っこ=端山、と連想したのも不思議はありません。
そこで、そんな「端山」の光景を見ることができる散歩コースに出かけてみることにしました。
目指すは、三が岡緑地。御用邸の手前に屏風のように立つ、3つのピークを持つ連峰の総称です。連峰といっても最高峰が143メートルという、散歩には最適のお手軽コースです。
3つの登り口がありますが、今回は「旧役場前」バス停からのぼり,真名瀬の熊野神社に下りる縦走コースを歩きます。

低いとは言っても、住宅街を抜けるとすぐにかなりの急勾配。普段運動不足の方にとってはかなりきつい運動です。でも、一気に深山モードに浸れるくらい、うっそうと茂る木々に鳥たちの鳴き声が響き、信州にでも来たような気分にさせてくれます。
木々にはそれぞれの名前の札がつけられ、これもにわかナチュラリスト気分を盛り上げてくれます。

やがて尾根伝いの道に入ると、勾配も緩やかになり、足下に咲く花々にも目がいく余裕が生まれます。

そしていくつかの休憩スペースをすぎると、いよいよ最後の展望台に到着。目の前には海が広がり、左手に富士山、正面に鎌倉の海岸線や江ノ島、右手手前には逗子マリーナが見えています。
そして手前足下には急勾配で海に向かって落ちていく森の木々、その先に森戸神社が見えます。
そうです。ここがまさに、三浦半島中央部から連なる山並みと海の境目、「端山」そのものです。昔の人々はこんな風景を見て「はやま」という名前を思い浮かべたんだ。そう思うと、この風景はとても感慨深いものになりますね。

そしてこちらは御用邸から長者が崎方向の眺め。
波の音が聞こえてくるほど、海が近く、山が海岸線ぎりぎりまで迫っていることが実感できます。

旧役場前から展望台、そして真名瀬まで約1時間半。お子さん連れでも大丈夫な気軽なコースです。
秋の晴れた日には、ランチボックスを持って、地元の名前の由来を探るミニトリップにお出かけになりませんか?